番組一覧 > 杏子と政哉の Spice of Life GOLD > お知らせ > 2021.3.31 ~ ゲスト:脳科学者・中野信子さん③
2021.3.31 ~ ゲスト:脳科学者・中野信子さん③
杏子と政哉の Spice of Life GOLD
杏子「ざっくりですけど、音楽が脳に与える影響ってどうなんですか?」中野「聴覚は、胎内でお母さんの声や心音を聞いてますから、
それに従って発達しています。
お母さんの話している言語を聞き分けられる能力が、
1歳までに出来上がっちゃう、というフランスでの研究があります。」杏子「えー!早い!」中野「音楽というのは、言語より歴史が古いですよね。
私たちの脳は、音楽を聴くと”脳内麻薬”と呼ばれるような物質が
出ていますので、気持ち良くなるように出来ているんですよね。
なので、音楽をずっと聞いている、うちの夫のような人は、
”音楽中毒” ”音楽ジャンキー”ですよね(笑)
そういう気持ち良くなる音楽は、奥が深いもので有りますが、
一方で、人の考える力よりもまとめる力、
誰かと一緒に何かをしたいと思わせるモノとしては、音楽は非常に有効です。」杏子「ライブとかで、音楽を共有するとね。一体感ありますよね。」松室「なんか、ライブとかで音楽に圧倒されて、涙出るというのは、
何がどうなってそうなるんですかね?」中野「メロディに何か意味があるわけではないけど、
旋律で泣けるということですかね。
最初は、聴覚野で処理されるんですけど、
そのあと主観的な意味づけというのを、前頭前野のちょっと下の方でやります。
そこは、相手が何を今思っているのか、どういう思いで書いた曲なのか、
というのを想像するところでもあるんですね。
そこが刺激されると、はっきりした理由が無くても、感情移入したり、
感動した思い出が想起されたりして、うっかり泣いちゃった、ってなるんです。
普段は、別のブレーキかけてくれる所があるんですけど、
そこが音楽とか、お酒で外しちゃう事もあるんです。」現在、京都芸術大学客員教授 でもある中野さん。
アートという分野に興味を持ったきっかけについても伺いました。中野「私、中高美術部だったんですよ。
アート方面の仕事できればいいなと思った時代でもありましたが、
コミュニケーション能力に難があるという事で(笑)
東京大学に進みまして、アートとは遠い何年かを過ごしていました。
でも、懐に余裕が出てくると、贅沢したいと思うじゃないですか。
私にとっての贅沢は、学ぶ事で、アートの勉強がしたくて
深くコミットした結果、東京藝術大学の大学院に通っています。
面白い先生がたくさんいらっしゃいます。」杏子「え!? 今通ってる?」中野「そうなんです~ まさに、今、博士課程です。
そこで、アツい面白い熊澤弘先生にお願いして、
『脳から見るミュージアム』という本を一緒に書かせていただきました。」杏子「その本で、貝殻の化石の話、すごかったです」中野「食べられない貝の殻が化石として出土する遺跡が中東にあって、
そこは海からも遠いんですよ。
で、そこから近い集落からは、そういう貝殻は出てこない。
どっちが長く生き延びたか、というと、食べられない貝の殻が出てくる方でした。
食べられない貝を『美しい』として、
象徴的価値を認めている方が集団としては生き延びる、と。
私たちはよく、『美しいは不要不急』と思ってしまいますが、
長く生き延びるためには必要だ、というのが、その研究からわかったんです。
アートの価値って、今私たちは低くみているかもしれないが、
実は、大事なんじゃないか、と。」杏子「音楽もそうですよね。無くても生きていける、と言われますけど、
たかが音楽、されど音楽で、それによって救われることもありますよね。」まだまだアートで聞きたい事がたくさんあった杏子ですが…
なんと時間切れ!中野さんに最後に質問。人生のスパイスとは…中野「私スパイス大好きですね~山椒とか(笑)
自分はメインディッシュというより、
みなさんの人生の山椒のような存在でありたいですね」杏子「ちなみに、山椒は何にかけて召し上がります?」中野「鰻を始め、私の好きな鴨せいろには、黒七味をかけます。」あんみつ姫、そして山椒LOVEな中野さん、
3週にわたり、楽しいお話をありがとうございました!中野信子
1975年東京都生まれ。東京大学工学部応用化学科卒業。
同大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。
フランス国立研究所ニューロスピン勤務後帰国。
現在、東日本国際大学教授。京都芸術大学客員教授M1. ai / 松室政哉
M2. Jump / Van Halen