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蒲田健の放送後記
【終了番組】ラジオ版 学問ノススメ
言っておきますが、これはほぼフィクションです。鴻上尚史さんの最新刊「ジュリエットのいない夜」言わずと知れた演劇界の最高峰・シェイクスピア。
常に眼前にあるものではないが、振り返ると斜め後方に厳然とそびゆる
巨大な山、というのが鴻上さんの捉えるシェイクスピアの存在感。
400年以上経っても朽ちないのはそこに普遍的な本質があるから。
更にその上で細部にはツッコミどころ満載ということが
演劇人の創作意欲に火をつけるのであろう。大いなるリスペクトの上に換骨奪胎した、「ロミオとジュリエット」の
ジュリエットをめぐる二編の物語を収めた今作。
ジュリエットはそれぞれの物語の中心付近にはいるものの
本当の主人公は外側から彼女を見つめる人物たち。
ジュリエットが放つ輝きがまぶしければまぶしいほど、
外側はそれに影響を受け翻弄され、様々なうねりが起こり
ときに喜劇が生まれ、ときに悲劇が生まれる。鴻上さんが長年に渡り演劇人として見聞きしてきたエピソードやメソッドも
ふんだんに盛り込まれている。
自分も同じ舞台にいるようなヒリヒリとしたリアリティがたまらなくスリリングである。「面白き ことがある世を 面白く
あらわしものは 舞台なりけり」P.S.「面白い」を追求したい、そのために「面白い」と思われるものをやり続けたい
というのが創作のモチベーション、とのこと。冒頭に挙げたのは
本の帯に書かれたご本人の言。この言い回しも「面白い」ですね。