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「東京五輪」開催延期、「ツール・ド・フランス」開催…「ツアー・オブ・ジャパン」大会ディレクター栗村修“2020年の自転車ニュース”を振り返る
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(左から)野島裕史、栗村修さん野島:今回は栗村さんに、2020年の自転車に関するニュース・トピックスのなかから“特に印象に残った出来事3つ”を解説していただきます!①「東京五輪」開催延期、「ツアー・オブ・ジャパン」開催中止栗村:2020年は、みなさんが楽しみにしていた東京オリンピックがコロナ禍で開催延期となりました。私が大会ディレクターを務めている、国内最大級の自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン」は、「東京五輪」開催延期が発表された翌日、開催中止の発表をしました。私自身のメインの仕事である「ツアー・オブ・ジャパン」。1年を通して開催準備をしているのですが、このような状況は今まで経験したことがなかったので、精神的なダメージがとても大きかったです。すべてが止まってしまい、次に来たのは“この先どうなってしまうんだろう……”という不安です。そして、私のもう1つの仕事、レース解説者としての仕事も止まってしまいました。「ツール・ド・フランス」(フランスを舞台にして開催される自転車ロードレース)の開催も延期されて(当初は2020年6月27日~7月19日開催予定スケジュールが変更となり、8月29日~9月20日の日程で開催)、世界中の大きなスポーツイベント、そして私がメインで担当している自転車ロードレースも軒並み全部止まってしまいました。2020年の春以降、スポーツ界全体が試練を迎えました。そのなかで“今はなにができるのか?”“今後どのようにしていくのか?”ということを、とにかく考えさせられた2020年でした。② 「ツール・ド・フランス」の開催栗村:つらい状況に光が差し、状況が徐々に好転しました。私のメインの仕事である国内の自転車レース「ツアー・オブ・ジャパン」は開催中止になってしまった一方で、世界最大の自転車レース「ツール・ド・フランス」は開催延期となって、8月下旬開幕になりました。私のもう1つの仕事・解説業では、世界最大の自転車レースを伝えられるチャンスがやってきました。ヨーロッパのロックダウンで感染者数は一旦下がりましたが、不安は大きく残っていました。開幕前からも“「ツール・ド・フランス」を開催できることは快挙である”と言われていました。3週間をかけてフランスを1周するレースなのですが、もし無事にレースを終えて、パリに辿り着いたら奇跡だと。もう未知の領域での巨大イベントの開催なので、果たして本当に、クラスターとかを発生させずに3週間の大会をやり切れるのか。もう、“人類レベルのチャレンジ”のような雰囲気でした。結果的に「ツール・ド・フランス」の出場選手からは、1人もPCR検査・陽性者を出さずに、3週間の日程をやり終えてパリに凱旋し、文字通り“奇跡”を起こしました。その結果ですね、国際オリンピック委員会 (IOC) ・バッハ会長が「『ツール・ド・フランス』という巨大なスポーツイベントを成功させたことが東京五輪開催への扉を開いた。オリンピックは、コロナの感染状況を問わず開催する」と明言しました。ですので、「ツール」が東京五輪の可能性を開いたということで、光が差し込んできたタイミングでしたね。③コロナ禍における自転車需要栗村:2020年は、ニューノーマルの時代となり、自転車全体にスポットライトが当たりました。自転車という乗り物は、実は、自然災害や世の中が危機に陥っときにすごく需要が高まる乗り物なんです。今、世界中で自転車が注目されていて、海外では自転車に乗るための補助金を出したり、フランスでは修理費用を出したり。パリでは、今まで車道としていたものを自転車用に開放したり。低価格帯の自転車が世界中で飛ぶように売れました。野島:自転車は移動のみならず、このような状況下でもエクササイズ的に乗ることもできますしね。栗村:そうですね。2020年に自転車が必要とされた要因は、いろいろとあったと思いますが、そのうちの1つは、やはりコロナ禍で密を避ける“移動手段”として使われたことですね。いま、野島さんおっしゃったように“運動不足解消”もありますよね。もう1つは、少し抽象的な言い方になりますが、新しい生活様式のなかで、自然のなかで乗れる乗り物に乗り、リモートで仕事をする――。そんな新しい生活が生み出された気はします。自然があって、風を感じて、体を動かせて、はじめて、人間のメンタルは正常に保たれる。みんなが無意識に自転車の良さを気付いた年だと思いますね。野島:ありがとうございます。栗村さんには、来週1月16日(土)19日(火)もお越しいただいて「栗村修の学べる自転車ニュース~2021年の展望編~」をお届けします。
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