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Vol.596 下高井戸シネマ 木下陽香さん・第3週目

企業の遺伝子
Vol.596 下高井戸シネマ 木下陽香さん・第3週目

今週も、有限会社シネマ・アベニュー取締役で下高井戸シネマ支配人の木下陽香(きのした・はるか)さんをお迎えしています。

今回は、下高井戸シネマの転期について伺います。

 

およそ70年にわたり、東京・下高井戸の街で映画を上映し続けてきた下高井戸シネマ。その長い歴史の中でも、木下陽香さんが「一番しんどかった」と振り返る出来事があります。

 

父の跡を継いで経営者となったのが2019年。そのわずか半年ほど後、新型コロナウイルスの感染拡大が始まりました。

 

映画館をどう守るのか。木下さんが決断したのは、独自のクラウドファンディングでした。寄せられた支援は約1,700人、金額は約580万円。ところが、木下さんにとって何より大きかったのは、その数字だけではありませんでした。

 

「街の誇りです」

3歳から45年間通っています」

「下高井戸シネマがあるから、この街に引っ越してきました」

「満員電車でクタクタになったとき、ここで映画を観て元気をもらっています」

 届いた約1,700ものメッセージを読み、木下さんは初めて、自分たちの映画館が人々にとってどんな存在なのかを知ったといいます。経営を継いだばかりで、どこへ進めばいいのか分からなかった木下さんに、観客の声が一つの道を示してくれたのです。

 だからこそ、変えるものと、変えないものがあります。

キャッシュレス決済など新しい仕組みを取り入れる一方、座席はいまも当日の窓口販売のみ。ネット予約には対応していません。不便さを承知しながらそうしているのは、長年映画館を支えてきた高齢のお客さまが、これまでと同じように席を選べる場所であり続けたいからです。

便利になることは、本当にすべての人にとって良いことなのか。木下さんの選択からは、そんな問いも浮かび上がります。

そして配信サービスが身近になり、自宅でも簡単に映画を楽しめる時代。それでも木下さんは、映画館にはそこでしか味わえない体験があると語ります。同じ作品でも、隣にいる観客の笑い声や息遣い、時には自然に起こる拍手によって、その日の映画は少し違ったものになる。

休館を目前にした上映で、エンドロールとともに客席から起こった拍手。その音には、どんな思いが込められていたのでしょうか。 

危機を通して見えてきた、街と映画館のつながり。そして、便利さだけでは測れない映画館の価値。下高井戸シネマが守り続けようとしているものに迫ります。

 

今週のゲスト

木下 陽香 (きのした はるか)さん

国立音楽大学音楽学部器楽学科を経て、学習院大学経済学部経営学科を卒業。

卒業後は損害保険会社に勤務する傍ら、結婚式場やレストラン、ホールなどで演奏活動を行う。

2019年より、有限会社シネマ・アベニュー代表取締役社長、下高井戸シネマの支配人に就任。

■A Gene of Music

このコーナーでは、音楽に精通した方にゲストのお話からイメージする4つの楽曲をセレクトしていただき、4週にわたって番組内で放送しています。

今週の選曲者

森谷 謙一 さん

2013年に地元広島の大学を卒業後、営業系に就職するが、メディア業界に憧れ、退職後、都内の番組制作系の専門学校に入学。卒業後2019年に番組制作会社、株式会社エフエムサウンズ(現:株式会社サウンドネクスト)に入社し7年間、FMラジオを中心に番組制作。

2026年にフリーランスとして独立しTOKYOFMinterfmBAYFMで番組制作を手掛けている.

今回のゲスト企業から連想するテーマ

有限会社シネマ・アベニューが営むおよそ70年という長きにわたり地元の方や映画ファンに愛されている映画館「下高井戸シネマ」。映画監督を目指した父、右も左もわからない経営の引継ぎ、コロナ禍でおこなった思い切ったこと、下高井戸シネマの根幹などなどの思いを各映画主題歌で選曲しました。

森谷謙一さんが選ぶ今週の1曲

映写幕の向こうへ / インナージャーニー2022年)

コロナ禍で始まったクラウドファンディングですが、当初は従業員の反対の声があり、それ押し切ってでも実行に移した木下さん。結果、映画館を愛してくださる方々から心温まる声の後押しあったおかげでコロナ禍を乗り切り今の下高井戸シネマがあるのではと思っています。今回は有限会社シネマ・アベニューと同じようにコロナ禍でクラウドファンディングをはじめ、新型コロナウイルス感染症の影響からミニシアターを街から無くしてはいけないという想いから始まったプロジェクト・オムニバス映画『THEATERS』のために書き下ろした曲から選曲しました。

■放送局、放送時間情報

ショートver.5分番組)
FM
秋田 毎週土曜 1955 / FM岡山 毎週土曜 1955 / FM山口 毎週土曜 1955 / FM徳島 毎週土曜 1955 / FM 沖縄 毎週土曜 1955 /FM宮崎 毎週日曜 1555 / FM高知 毎週金曜 754 

ロングver.15分番組)
FM
長野 毎週土曜 9:15 / FM岐阜 毎週日曜 900 / FM大分 毎週日曜 900 / FM石川 毎週日曜 915 / FM香川 毎週月曜 1140 / InterFM 毎週火曜 1840 / FM滋賀 毎週水曜 1836 / FM岩手 毎週木曜 845 


1 放送局及び放送日時が変更となる場合があります。特別番組、天災などの臨時対応により、予告なく放送休止となる場合がありますのでご了承下さい。詳しくはお聴きいただいているFM放送局のタイムテーブルにてご確認ください。

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