Vol.585 小湊鐵道株式会社 石川晋平さん 石川卓生さん・第4週目
今週は、小湊鐵道株式会社 代表取締役社長・石川晋平(いしかわ・しんぺい)さん、代表取締役副社長・石川卓生(いしかわ・たくお)さんをお迎えしています。
今回は、小湊鐵道の今とこれからについて伺います。
千葉県を走るローカル鉄道・小湊鐵道が今、本気で向き合っているのは、人口減少時代にローカル鉄道が果たすべき役割について伺います。
石川社長が語る最大の危機感は、利用者減少そのものではなく、「子どもが減り続けることで地域そのものが成り立たなくなること」。教育、生活インフラ、地域コミュニティ――あらゆるものが縮小していく中で、自分たちに何ができるのか。その問いから生まれたのが、全国でも前例のない大胆な施策でした。
それが「学生専用全線年間パスポート」。39.1kmの全線が乗り放題で、なんと年間1万円。通常なら18万円以上かかる定期券を大幅に見直した挑戦です。しかも沿線在住者だけでなく、東京や神奈川、埼玉などに住む学生でも購入可能。その結果、これまで約250人だった学生定期利用者は700人を超え、大きな反響を呼んでいます。
なぜそこまで思い切った決断ができたのか。その背景には、地域で子育てをする母親たちとの率直な対話がありました。「小湊鐵道は移動手段の選択肢に入っていない」。そんな厳しい声を受け止めながらも、「もし実現したら子どもたちにこの地域で暮らす未来を語れる」という言葉に背中を押されたといいます。利益だけでは測れない価値を追いかける経営判断に、小湊鐵道らしさが表れています。
一方で、大人たちを夢中にさせる企画も話題です。夜の列車を舞台にした「夜発(よっぱ)ビール列車」。生ビールやハイボール、千葉の地酒が飲み放題。地元食材を使った特製のおつまみ弁当付き。さらに折り返し駅では花火まで楽しめるというユニークな企画がSNSで大きな話題となり、今ではチケットが取れない人気イベントに成長しました。
地域の課題に向き合いながら、人が集まる楽しさもつくり出す。小湊鐵道が目指しているのは、単なる移動手段ではなく、人と地域をつなぐ存在なのかもしれません。
100年後も変わらず大切にしたいのは、「近くの人を喜ばせたい」という創業以来の思い。ローカル鉄道の常識を超える挑戦の裏側に、ぜひ耳を傾けてみてください。
今週のゲスト
石川 晋平 (いしかわ しんぺい)さん
1972年千葉県生まれ。大学卒業後、千葉銀行勤務を経て、2005年に祖父が務める小湊鐵道に入社。高速バスの新路線開業など、小湊鐵道が持つポテンシャルを引き出す挑戦を繰り返し、2009年に取締役社長に就任。
2015年には沿線の魅力発信を目的とした「房総里山トロッコ」をプロデュース。
石川 卓生(いしかわ たくお)さん
1974年千葉県生まれ。大学卒業後、石井食品株式会社に入社、2017年 同社取締役就任。2018年、従兄弟である石川晋平社長から請われ小湊鐵道に入社。2021年 取締役副社長に就任。
■A Gene of Music
このコーナーでは、音楽に精通した方にゲストのお話からイメージする4つの楽曲をセレクトしていただき、4週にわたって番組内で放送しています。
今週の選曲者
油井りくや さん
放送作家プロダクション株式会社スクワイアの若き放送作家。
代表作家の”ねだediしんじ” の元、テレビの音楽番組、ラジオのJAZZ番組、アーティストの舞台制作、ドキュメンタリーの密着取材など多様な現場で活躍中。
現在、アーティストのツアーに帯同して日本全国を回りながら、アイデアを作品にする日々!
今回のゲスト企業から連想するテーマ
地元に愛され、今年で創業109年。地域に根差した鉄道やバス事業を展開する小湊鐵道株式会社。千葉の人々の思いから始まったこの鉄道は、里山の風景を活かした観光列車やイルミネーションなど、「地域密着×街づくり」を軸に、今もなお進化を続けています。その根底にあるのは、「地元・房総を盛り上げたい」という想い。移動手段としてだけでなく、人と人、街と暮らしをつなぎながら、地域を支え続けてきました。そんな小湊鐵道の在り方に重ね、各週の楽曲をセレクトしました。
由井りくやさんが選ぶ今週の1曲
コンパス・オブ・ユア・ハート/ シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ(2024年)
創業100 年を超えた今も、地域住民への聞き取り調査などを通じて、「地域密着×街づくり」を実践し続けている小湊鐵道。そんな姿勢から連想したのが、東京ディズニーシーのアトラクション「シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ」で流れる「コンパス・オブ・ユア・ハート」です。作曲を手がけたのは、『リトル・マーメイド』や『アラジン』など、数々の名作を生み出してきたディズニー音楽の巨匠、アラン・メンケン。この楽曲は、東京ディズニーシーの同アトラクションのためだけに書き下ろされた、日本限定の一曲でもあります。「近くの人を喜ばせたい」という想いを原点に、100年以上にわたり地域と向き合い続けてきた小湊鐵道。その歩みもまた、信じる道を進み続けてきた冒険なのかもしれません。
■放送局、放送時間情報
ショートver.(5分番組)
FM秋田 毎週土曜 19:55 / エフエム岐阜 毎週土曜 19:55 / e-radio(FM滋賀) 毎週土曜19:55 / FM岡山 毎週土曜 19:55 / FM山口 毎週土曜 19:55 / FM香川 毎週日曜 26:55 / FM徳島 毎週土曜 19:55 / FM高知 毎週金曜 7:54 / FM長崎 毎週金曜 13:50 /FM宮崎 毎週日曜 15:55 / FM Okinawa 毎週土曜 19:55
ロングver.(15分番組)
FMとやま 毎週土曜 5:30 / エフエム山陰 毎週日曜 9:45 / InterFM 毎週火曜 18:40 / FM岡山 毎週土曜日 8:15 / FM香川 毎週土曜 9:30 / FM大分 毎週日曜 9:00
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