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【地震に自信を】災害と映画・映像について(2026年5月17日 今村文彦先生)
東日本大震災をテーマにした映画は、震災の記憶を風化させず、被災地の再生や個人の喪失と向き合う作品が多く制作され、防災の面でも重要な活動となっています。代表作として、福島第一原発事故の現場を描いた『Fukushima 50』(同発電所の事故が発生した後も残った約50名の作業員に対し、欧米など日本国外のメディアが与えた呼称)、岩手県大槌町の「風の電話」(故人と「話す」ための受話器だけの電話ボックスで震災後に多くの遺族らが訪れる場所)をモチーフにした作品、遺体安置所での日々を描いた『遺体 明日への十日間』(岩手県釜石市の遺体安置所での現状をありのままを綴ったルポルタージュ『遺体 震災、津波の果てに』を実写映像化した作品)などがあります。
そして、『最後の乗客』(2023年制作/2024年公開)は、東日本大震災からおよそ10年を経た被災地を舞台にした自主制作映画で、この番組に堀江貴監督にもご出演いただきました。さらにアニメ作品もあり、代表的なものは新海誠監督による「すずめの戸締まり」 (2022年)で、被災地を巡る物語でした。
関連の新書【災害と映像―防災ドラマは社会を救えるのか】をご紹介します。著者の安本真也氏は災害情報や避難行動を専門とする研究者であり、東日本大震災後の「災害映画」におけるリスク描写や、災害情報の受け止め方について研究を行っています。この本ではメディアが描く避難行動と実態の乖離や、防災啓発としての映画の役割を分析しています。 映像表現は人々をどう動かすのか?災害映画が描く喪失の「受容」、また防災ドラマが導く大災害への「備え」の可能性は?等です.また、後半ではNHKの防災ドラマ『パラレル東京』をめぐる大規模追跡調査から、視聴者の認知と行動がいかに変化したのかを検証した内容です。この『パラレル東京』はマグニチュード7.3の首都直下地震が発生したとの想定で、地震発生から4日間のテレビ局のニュースチームの闘いを描いています。