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ごうちゃんの「照らすこころ」vol.21
毎月第2火曜日ごうちゃんの「照らすこころ」
仏具店として、人そして、心を大切に接客を続ける
ごうちゃんの考え方や、人生を楽しく生きるための「きづき」や「きっかけ」を
お話いただきます。
照泰仏堂
HP:https://www.shoutaibutsudou.com/
岡山の仏壇店「照泰仏堂」(昭和53年設立)は、お客様の仏事の【とーたるさぽーと】を行う仏壇屋です。
お仏壇は唐木仏壇・金仏壇・モダン仏壇、合わせて随時100本以上展示。
お仏壇の移動・掃除・処分も承ります。
お仏具、位牌と文字彫サービス、線香・ローソク・神棚・神具、寺院用具、粗供養、満中陰志、各種返礼品、
オンラインショップ、雑貨など、幅広い品揃えとサービスでお客様の毎日に寄り添います。
人生の荷物を手放す
日々の忙しさに追われ、ふとした瞬間に「心が重い」と感じることはありませんか。
私たちは知らず知らずのうちに、目に見えない何かを背負い込み、身動きが取れなくなっているのかもしれません。
「照泰仏堂」代表の幡司剛典(はたし・たかのり)氏(愛称:ごうちゃん)が語った死生観には、
そんな心の重荷を下ろすための深い智慧が詰まっていました。
葬儀という“人生の締めくくり”に寄り添い続けるプロだからこそ見えた、今を軽やかに生きるためのヒントをお届けします。
1.冷たい「納体袋」が教えてくれた愛の形
葬儀の現場に長年携わる幡司氏ですが、実はかつて「納棺師」という存在の必要性に懐疑的だったと言います。
「病院で綺麗にしてくれるのだから、わざわざ追加の費用をかけてまで頼まなくてもいいのではないか」
——そう考えていた彼の意識を180度変えたのは、お寺からの紹介で出会った納棺師・公森玲奈氏の仕事でした。
特に、事件性の有無を確認するために警察が介入した場合、遺体は「検視」のために運ばれます。
そこから戻ってきたとき、故人は「納体袋」の中で、裸のままの状態なのです。
その冷たく、あまりに現実的な姿に直面したとき、納棺師による丁寧な所作がどれほど救いになるかを幡司氏は痛感しました。
公森氏が遺族に言葉をかけながら、一つひとつの所作に心を込め、故人を整えていく。
そのプロセスは、単なる「作業」ではありません。
それは、パニックと悲しみの中にいる遺族が「心の整理」をつけ、静かに別れを受け入れるための癒やしの時間なのです。
「自分が亡くなったんだなって受け入れる1つのことになるんじゃないかなって、見ながら思いましたね。」
故人の尊厳を守ることは、遺族の明日への一歩を支えることでもあります。
その温かな手仕事は、遺族だけでなく、空から見ているであろう故人自身の魂をも、深い感謝で包み込んでいくのです。
2.人生の「リュックサック理論」:その中身は宝の山か、重荷か
ごうちゃんは、人は生まれたときから「目に見えないリュックサック」を背負っていると言います。
人生の前半戦では、私たちはそのリュックに知識や体験、物質的な豊かさを必死に詰め込みます。
「求める」ことで成長する時期は確かに必要です。
しかし、ここで一つの逆説的な真実が浮かび上がります。
「たとえ幸せなことであっても、詰め込みすぎれば重くなる」という事実です。
宝の山: リュックの中身を財産だと思えれば、足取りは軽くなる。
重荷(苦): それが執着や「ねばならない」という感情に変わったとき、人生は途端に苦しく、歩きづらいものになる。
私たちは何のために、何を詰め込み続けているのでしょうか。
人生の歩みが重く感じられるなら、一度立ち止まって、その中身を点検する時期かもしれません。
3.「執着」を「軽やかさ」へ:幸福のメカニズムは「与える」のが先
人生には、どこかで折り返し地点がやってきます。
それは年齢ではなく、本人が「今のままでは重すぎる」と気づいたときです。
そこから始めるべきは、中身をさらに増やすことではなく、「中身を出していく(分け与える)」作業です。
ごうちゃんは、「出入口」という言葉は、必ず「出」が先に来る。
つまり、「出す方が先、入れるのは後」というのです。
「特にお苦しい時とかね、大変な時っていうのは与えることを意識した時に楽になったりすると思うので」
重すぎる荷物を背負ったまま(強い執着を残したまま)亡くなると、魂はこの世への未練から解放されず、
自分が死んだことさえ自覚できない「浮遊」という状態になってしまうと言います。
苦しいとき、私たちはつい「自分を満たしてくれる何か」を求めてしまいます。
しかし、そんなときこそ、自分が持っている知識や優しさ、あるいは小さなお金でもいい、
外へと「出す・与える」ことを意識してみてください。
その瞬間にリュックは軽くなり、あなたの心はふわりと浮かび上がることができるのです。
お彼岸に考える「見えない世界」との繋がり
お彼岸を、単なる「お墓掃除」と捉えるのはもったいないことです。
それは、「向こうの世界(見えない世界)」を意識し、自分のリュックの中身を整理する特別な期間です。
ごうちゃんは、「自分は求めることばかり考えていた」と気づき、「情けなさ」を感じた瞬間があったと言います。
その自分を救うために彼が取った行動は、熊本や千葉の被災地へのわずかな寄付でした。
他者のために何かを「与える」というアクションは、巡り巡って自分自身の情けなさを癒やし、
心を整えるための「救い」となるのです。
お彼岸は、そんな自分の内面を見つめ直し、執着を手放すための絶好の機会です。
「求める」生き方から「与える」生き方へ。
ごうちゃんが、最愛の母を亡くした直後に耳にして号泣したという、
藤井風氏の楽曲『帰ろう』。そこには、最後にすべてを与えて帰ることの美しさが歌われています。
私たちは、いつか必ずこのリュックを置いて帰らなければなりません。
ならば、今日という日を終える前に、少しだけ中身を軽くしてみませんか?
あなたのリュックには、今何が入っていますか? そして、その中の何を、誰かに手渡すことができますか?
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